レセ・パセ 自由への通行許可証

ナチス占領下のパリ。レジスタンス活動家で、映画助監督でもあるジャンは、活動に必要な通行許可証(レセ・パセ)を手に入れるためドイツ資本の映画会社に入社。一方、女好きな名脚本家ジャン・オーランシュはナチスのために働くことを拒み、同社からの執筆依頼を拒み続けていた。 2002年のベルリン国際映画祭でジャック・ガンブランが銀熊賞(男優賞)を受賞。
公開日
2003年5月10日(土)
監督
ベルトラン・タヴェルニエ
脚本
ジャン・コスモ ベルトラン・タヴェルニエ
撮影
アラン・ショカール
音楽
アントワーヌ・デュアメル
出演
ジャック・ガンブラン ドゥニ・ポダリデス マリー・ジラン シャルロット・カディ マリア・ピタレシ マリー・デグランジュ オリヴィエ・グルメ フィリップ・モリエ=ジュヌー ゲッド・マルロン ロラン・シリング クリスチャン・ベルケル
製作年
2002
製作国
仏=独=スペイン
原題
LAISSEZ-PASSER
上映時間
170
INTRODUCTION
第二次世界大戦下、ナチス・ドイツ占領下のフランス、パリ。この激動の時代に、愛と自由のために、命を賭して闘った二人の映画人がいた。占領下の時代、ドイツ資本で経営された映画会社コンティナンタルで働くふたりの男が、すれ違いながらも微妙に交錯する運命の軌跡と、史実に基づく数々のユーモアあふれる感動的なエピソードを巧みに織り込みながら、見事に当時を再現している。本作は、昨年2002年のベルリン国際映画祭において、ジャック・ガンブランが男優賞、アントワーヌ・デュアメルが音楽賞と、ダブル銀熊賞に輝く快挙を成し遂げ、グランプリに勝るとも劣らない話題を巻いたことでも注目を浴びた。また、昨年末に発表されたアメリカ「タイム」誌では、「トーク・トゥ・ハー」や「ロード・トゥ・パーディション」「戦場のピアニスト」と並んで年間ベストテンに選出されるなど大きな共感を呼んでいる。ジャン=ドヴェーヴルに、「クリクリのいた夏」のジャック・ガンブラン。脚本家ジャン・オーランシュに、「青い夢の女」の個性派ドゥニ・ポダリデス。聡明な高級娼婦オルガには、マリー・ジラン。スザンヌ・レモンに、「ダディ・ノスタルジー」のシャルロット・カディが演じている。
STORY
1942年3月3日。フランス、パリ。名だたる脚本家であるジャン・オーランシュ(ドゥニ・ポダリデス)は、ドイツに占領され、停滞するフランス映画界においても、ドイツ資本の映画会社コンティナンタルの誘いに頑として首を縦に振らない気骨の人。しかし、こと女性に関して言えば、からっきし弱い移り気な浮気者である。戦闘機の遠い爆音が部屋の中に響き、ルノーの街がイギリス軍からの空爆を受けているようだ。その爆撃の最中、街を疾走するもうひとりの男ジャン=ドヴェーヴル(ジャック・ガンブラン)がいた。彼は、彼は助監督として、今まさにクランク・アップ直前のリシャール・ポティエ監督作『城の中の8人の男』の陣頭指揮を執っていたのである。、彼らは映画作りに日々、精魂を傾けていた。そして、ジャン=ドヴェーヴルにはレジスタンスの活動家という、もうひとつの顔があった。 レジスタンス活動のために、あえて「敵の懐に飛び込み」、フランス全土を検問なしで横断できる通行許可証(レセ・パセ)を手にしたジャン。女とペンに情熱を傾けた脚本家ジャン・オーランシュも、日々の糧にも事欠く旧友の姿を見て、やがて自らの信念を曲げ、このドイツ系映画会社のために脚本を執筆することになる。果たして彼らは、このままこの会社で映画の仕事を続けるべきなのか、それとも対独協力を拒んで、すべてを投げ打ってこの撮影所から逃げ出すべきなのか?
CASTING
●ジャック・ガンブラン 1912年12月18日、パリ近郊ブーローニュ=ビヤンクール生まれ。美術デザイナーを経て、ピエール・ビヨンらの助監督を務める。45年に「ごまかしの王様」で監督デビュー。50年にカナダで『お尋ね者』を監督。その他「闇のぺリゴール」(89)、「レ・ミゼラブル」(94)、「クリクリのいた夏」(99)、「マドモワゼル」(00)がある。 ●ドゥニ・ポダリデス 1963年4月22日、ヴェルサイユ生まれ。コンセルヴァトワールで演技を学ぶ。88年に初舞台。89年にパトリス・ヴィヴァンコの「クゼニア」で映画初出演。主な出演作は、「メイリグ」(92)、「そして僕は恋をする」(94)、「ジャンヌと素敵な男の子」(97)、「将校たちの部屋」(01)などがある。 ●マリー・ジラン 1975年6月18日、ベルギーのリエージュ生まれ。14歳のときに「愛人/ラマン」のオーディションに応募したのがきっかけで、「さよならモンペール」(91)に出演。主な出演作は、「裸足のマリー」(93)、「愛と復讐の騎士」(97)、「星降る夜のリストランテ」(98)などがある。 ●シャルロット・カディ 大学時代に演劇学校コート・フロランで学ぶ。83年に「アンテナに海賊はいるか?」で女優デビュー。主な出演作は、「サロメの季節」(84)、「素顔の貴婦人」(89)、「ソフィー・マルソーの三銃士」(94)、「恋するシャンソン」(97)、「父よ」(00)がある。

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